回避型愛着障害

回避型愛着障害の治し方・特徴を『愛着障害』の本から要約抜粋して紹介

回避型愛着障害の治し方・特徴を『愛着障害』の本から要約抜粋して紹介
くじら君
くじら君

回避型愛着障害の特徴や治し方を知りたい。

でも愛着障害の本をまるごと読むのは大変なので、回避型の部分だけを抜粋して簡単に知る方法はないだろうか?

 

今回は、こんな疑問にお答えします。

本記事の内容
  • 書籍『愛着障害』の簡単な紹介
  • 回避型愛着障害の治し方
  • 回避型愛着障害の「診断チェック表」
  • 回避型愛着障害の特徴
  • 回避型愛着障害の原因
  • 著名人の回避型の愛着行動
  • 読んだ感想:本書を読んで自分の気質に納得がいった

 

こんにちは、回避型スタイルを自負するマヨネです。

 

「回避型愛着障害」関連の本は、精神科のお医者さんや、プロのカウンセラーさんが書いているものが多く、読むのがむずかしいと感じる方が多いと思います。

マヨネ
マヨネ
僕も読んでいて何度も寝落ちしました。

 

そして治し方や、回避型に関することだけを知りたい場合でも、愛着障害全体について書かれていることが多く、知りたいことに辿り着くのに時間がかかります。

 

そこでこの記事では、同じく回避型で本を読むのが面倒に感じる方に向けて、『愛着障害』(著者:岡田尊司さん)の本から抜粋して、わかりやすくお伝えします。

ずばり本書で書かれている回避型愛着障害の治し方は、下記の3つです。

  • 「子ども心を取り戻すプロセス」をやり直す
  • 「他者を受け入れるプロセス」をやり直す
  • 自分が自分の親になる

 

それぞれの詳しい内容と、「回避型ならではの特徴」も分かりやすくまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。

マヨネ
マヨネ
「自分は何でこんな行動をしてしまうのだろう?」と、不思議に感じている方のお役に立てると嬉しいです。

 

書籍『愛着障害』の簡単な紹介

2011年に発行された本で、著者は精神科医・医学博士の岡田尊司(おかだたかし)さんです。

著者:岡田尊司
東京大学哲学科中退、京都大学医学部卒。
京都府立洛南病院、京都医療少年院等に勤務し、パーソナリティ障害治療の最前線に立つ。
現在は、心と発達の専門「岡田クリニック」にて、院長を務める。

 

本書で語られている内容は、大まかに下記の通りです。

『愛着障害』の主な内容

  • 愛着障害とは
  • 4つの愛着スタイル
    ①安定型
    ②不安定型
    ③回避型
    ④恐れ回避型
  • 愛着障害が生まれる要因と背景
  • 従来の治療では効果がないので、いかに克服するか

 

マヨネ
マヨネ
それでは、さっそく「回避型愛着障害の治し方」を見てみましょう。

 

治し方は?(『愛着障害』の本より)

本書で紹介されている回避型愛着障害の治し方は、下記の3つです。

  • 「子ども心を取り戻すプロセス」をやり直す
  • 「他者を受け入れるプロセス」をやり直す
  • 自分が自分の親になる

 

マヨネ
マヨネ
どんな方法なのか、ひとつずつ見ていきましょう。

 

「子ども心を取り戻すプロセス」をやり直す

子ども心を取り戻し、過去のつらい記憶を言葉にして放つことが、治し方の1つとして有効です。

回避型の人は生き残るために、子どもの頃のつらい記憶を抑え込んできたからです。

 

子ども心を取り戻す

子どもの頃の記憶を思い出し、果たせなかった思いを表現してみましょう。

子ども心を取り戻す過程では、駄々をこねたり、わがままを言ったりすることがあります。

これを「悪化」としてとらえるのではなく、「回復の第一歩」ととらえることが大切です。

例)
ある青年は子どもの頃に、児童書を読ませてもらえない記憶がありました。

そこで、子どもに戻ったつもりで、雑誌『めばえ』→『幼稚園』→『小学一年生』を順に読み進めていきました。

すると青年はどこか納得した感覚が得られ、愛着が癒されたのです。

 

過去のつらい記憶を言葉にして放つ

子どもの頃のつらい記憶は、言葉にして放つことが大切です。

つらい記憶は、現在まで言語化されずに、もやもやしたまま記憶の奥に巣食っているからです。

 

過去のつらい記憶を言葉にして放つながれ

  1. 最初は断片的にしか思い出せない
  2. 思い出しても「何とも思っていない」「気にしていない」ことに感じる
  3. だんだん思い出した出来事に対して、ネガティブな感情が出てくる
  4. ネガティブな感情のままを言葉にして解き放つ

 

「他者を受け入れるプロセス」をやり直す

他者を受け入れて認めることが、愛着障害を治すうえで重要です。

周りに「自分が受け入れられている感覚」がないのは、「自分が他者を受け入れていないから」です。

人を信じて、何でも語れる相手を見つけましょう。

そして、どんな小さなことでもよいので誰かのために役割を果たし、癒すように努めます。

 

他者を受け入れるながれ

  1. 人を信じる
  2. 何でも話せる人を見つける
  3. 誰かのために役割を果たす
  4. 誰かを癒す

 

自分が自分の親になる

自分が自分の親となり、愛着障害を治した人もいます。

先ほどの「誰かを癒す」を、自分自身に対して行っているのかもしれません。

 

例)
ある女性は、実の親に左右されないように心に決め、「自分の中に親」を想像しました。

そして、自暴自棄や否定的な気持ちになったときは、「自分にどうアドバイスするか」を、自分の中の親と相談しながら決めていったのです。

すると理由のない自己嫌悪におちいることがなくなり、愛着が癒されていきました。

 

マヨネ
マヨネ
次に、診断テストで回避型と判定される項目はどんな内容か?について抜粋して紹介します。

 

回避型の「診断チェック表」(『愛着障害』の本より)

本書で紹介されている「愛着スタイル診断テスト」より、回避型に該当する項目をピックアップしました。

あなたに思い当たるフシがあるか、チェックしてみてください。

 

回避型の愛着スタイルに該当する項目がこちらです。

誰とでもすぐに打ち解けたり、くつろぐことが苦手である。

つらいときに、身近な人に接触を求めない。むしろ、つらいときほど接触を求めない。

親しい対人関係は、あなたにとってそれほど重要ではない。

いつも冷静でクールである。

べたべたした付き合いが、苦手である。

 

関わり合った人と別れても、すぐ忘れるほうである。

人付き合いより、自分の世界が大切である。

自分の力だけが頼りだと思う。

昔のことはあまり懐かしいと思わない。

あまり感情を表情に出さないほうである。

 

恋人や配偶者にも、プライバシーはおかされたくない。

親しい人と肌が触れ合ったり、抱き合ったりするスキンシップをとることを、あまり好まない。

幼いころのことを、あまり記憶がない。

困っているとき、他人が親切に助けてくれるとは思わない。

他人の善意に気軽にすがることがない。

 

失敗を恐れて、チャレンジを避けてしまうことがある。

人と別れるとき、とても悲しく感じたり、動揺することはない。

他人にわずらわされず、1人で自由に生きていくのが好きだ。

仕事や学業の方が、恋愛や対人関係より重要である。

あなたが傷ついたり落ち込んでいるとき、他の人になぐさめてもらったり、話を聞いてもらうことは、あまり重要ではない。

 

いかがでしたでしょうか?

マヨネ
マヨネ
僕は回避型の項目、ほぼ全部にチェックが付きました。

 

さらに詳しく、「回避・安定型」や「恐れ・回避型」などを知りたいときには、本書の診断テストを受講してみてください。

 

マヨネ
マヨネ
次に、回避型の人ならではの特徴を見てみましょう。

 

回避型の特徴(『愛着障害』の本より)

回避型の人にとって、日常生活に見られる特徴を5つの分野でまとめました。

  • 性格
  • 対人関係
  • 恋愛相手に対して
  • 子どもに対する向き合い方
  • 仕事に対する向き合い方

 

マヨネ
マヨネ
ひとつずつ特徴を見ていきましょう。

 

性格

回避型愛着障害の「性格の傾向」

  • 自分の人生を、第三者のことのように感じている
  • 世の中に対して、自分が対等なプレイヤーであることを、どこかしら諦めている
  • 社会の喧噪を避けてひきこもりがち
  • 子ども時代に、夜尿症や神経質な人が多い
  • 自己肯定感が低く、目標に向かって努力する意欲が湧きにくい
  • 自分の体のことでも、病院に行くのを面倒くさがり、困った状況になるまで治療を後回しにする

 

対人関係

回避型愛着障害の「対人関係の傾向」

  • 他人に無関心で、斜に構えた態度をとる
  • 誰も信頼していない割には、相手の顔色に敏感である
  • 相手の心の痛みに無頓着である
  • 人とのあらそいを避け、もしあらそう状況なら自ら身を引いて状況を収める
  • あらゆる別れの場面に、悲しみを口にしたり涙を流さずに、割と平然としている
  • 否定されればされるほど、自分に不利益なことでも意地をはって執着する

 

恋愛相手に対して

回避型愛着障害の「恋愛相手に対しての傾向」

  • 相手の心に関心がなく容姿や家柄、学歴など特別な関心を示す
  • 相手の脚や胸など、体の一部分にかたよって執着する
  • 相手の困りごとや頼られることが、なぜかわずらわしく、怒りにすら感じる

 

子どもに対する向き合い方

回避型愛着障害の「子どもに対する向き合い方の傾向」

  • 子どもが嫌いで関心がない
  • 子どもは好きだが、接し方が分からない

 

仕事に対する向き合い方

回避型愛着障害の「仕事に対する向き合い方の傾向」

  • どの職業に就くかの選択をなかなか決めれない
  • 職業選択に時間が掛かった割には、わずかな見聞や情報で最終決定してしまう
  • 対人関係よりも、仕事や勉強や趣味に重きをおく
  • 家族の要求を避けるために仕事にかたよりがち

 

そもそも、なぜ回避型になってしまったのか?

マヨネ
マヨネ
次に、その理由を解説します。

回避型になった原因(『愛着障害』の本より)

回避型になった理由は、子どもの頃のつらい記憶を「自分には必要ない」と思い込み、自分を守るための生き残り戦略としたことが原因です。

愛着行動を抑えこむ原因として考えられるもの

  • 親に甘えようとしても拒絶された
  • 親に助けを求めても、何の反応もかえってこなかった
  • 抱っこなど、十分なスキンシップがなされなかった

 

マヨネ
マヨネ
もちろん、親にはなんらかの理由があり、親も同じく愛着障害だった可能性があります。

 

著名人の回避型の愛着行動

本書で紹介されている著名人のうち、回避型の愛着行動に感じられる4名をピックアップして、愛着行動を紹介します。

回避型と思われる著名人4名

  • 夏目漱石
  • 川端康成
  • 谷崎潤一郎
  • スティーブ・ジョブズ

 

夏目漱石

夏目漱石(なつめそうせき)は、明治〜大正に活躍した小説家です。

夏目漱石の、回避型の愛着行動

  • 人に気を許さなかった
  • 子どもの扱いが極端に苦手
  • 内定していた東大教授の座を捨てて、不安定な新聞小説家を選んだ

 

川端康成

川端康成(かわばたやすなり)は大正〜昭和に活躍した小説家です。

回避型の人ならではの、家族のつながり感が分からず、子ども心をやり直すことで愛着障害を癒しています。

川端康成の、回避型の愛着行動

  • 血のつながった子どもをもつことが恐ろしかった
  • 子ども心を取り戻し、愛着の傷を癒した

 

血のつながった子どもをもつことが恐ろしかった

彼は「両親からの愛情」や「つながり」が分からなく、子どもをもつことを恐ろしく感じていた。

川端康成が子どもを恐ろしいと感じた理由

  • 子どもから無心の愛を寄せられると、どう接してよいのか分からない
  • 子どもを幸せにすることなど、自分にはできないと思っている
  • 自分と血のつながった存在がいることに罪悪感を感じる

 

子ども心を取り戻すことで、愛着の傷を癒した

彼は、幼い少女と「ままごと遊びをするかのような結婚生活」で、愛着の傷を癒したと推測されます。

失われた子ども心を、取り戻し満たしたいと、無意識に感じていたのでしょう。

補足:愛着障害の男性はロリータ・コンプレックスの傾向が多いと言われています。

 

谷崎潤一郎

谷崎潤一郎(たにざきじゅんいちろう)は、明治末期〜昭和中期に活躍した小説家です。

東大を中退し、なぜか作家活動に没頭した。

スティーブ・ジョブズ

スティーブ・ジョブズはAppleの共同創業者の1人で、アメリカの起業家です。

大学を中退したあと、ドラッグの使用や、当てのないインド放浪を行い、回避型の人にみられる世の喧噪を避けるような行動をしている。

 

いかがだったでしょうか?

マヨネ
マヨネ
ちなみに僕は本書を読んで、はじめて自分が回避型であると知りました。

 

読んだ感想:本書を読んで自分の気質に納得がいった

以前僕は、自分のことをアスペルガー症候群だと思っていました。

しかし本書を読んでから、アスペルガー症候群よりも愛着障害であると気づいたのです。

 

それ!それ!一緒、一緒、というように。

もう、うなるほど回避型の気質に一致しまくっていて、びっくりしました。

 

一致しすぎていて、うなった点5つ

  • 自分の人生なのに、まるで第三者かのように感じていること
  • 人を頼らず親密な関係を避けて、1人でいることを好むこと
  • 一般的な恋愛感情が分からなく、女性の体の一部だけに執着していること
  • 子どもが苦手なこと
  • 対人関係を避けるために、仕事や趣味に没頭すること

 

アスペルガー症候群やHSPと比べて、愛着障害はまだ認知度が少ないです。

マヨネ
マヨネ
なので、自分のことを愛着障害だと気づいていない方も、世の中にたくさんいるのでは?と思います。

 

まとめ:子ども心を思い出し、他者を受けいれ、自分が自分の親になろう!

今回は、「回避型愛着障害の治し方・特徴を『愛着障害』の本から要約抜粋して紹介」をテーマにお届けしました。

本書で紹介されている回避型愛着障害の治し方は、下記の3つです。

  • 「子ども心を取り戻すプロセス」をやり直す
  • 「他者を受け入れるプロセス」をやり直す
  • 自分が自分の親になる

 

「自分は何でこんな行動をしてしまうのだろう?」や「結婚できる気がしない理由は他にあるのかな?」と、感じている方のお役に立てると嬉しいです。

 

僕は、回避型愛着とずっと付き合っていくものとして、養生に励んでいます。

他にも回避型愛着障害について良い情報がありましたら、ぜひ教えて下さい。

 

マヨネ
マヨネ
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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